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新品パーツ | 釣具ビルディングパーツ専門

グリップの延長方法

こんにちは、リメイク・リペア担当の福田です。

 

今回の依頼は、グリップ延長です。

新品購入されたロッドのグリップ延長の運びとなりました。

ワインディングチェックから、

バットエンドまで22cmの所、9cm延長して31cmとします。

 

 ロッドの長さに対して、グリップが短いと言う事で、

握りの長さやストロークを確認しながら、バットエンドまで31cmで決定しました。

それでは、再度確認して延長作業を進めます。

 

 

 

 ※新品の持ち込みです。

 

新品グリップの保護セロファンをお客様より先に、

破るのは気が引けますが、失礼して剥かせて頂きます。

デザインナイフの刃先もしっかり新品に交換して臨みます。

 

 

 ※マスキングでセンターを出して、デザインナイフで切り込みを入れていきます。

 

 マスキングテープを縦に貼ります。

マスキングテープに沿ってデザインナイフを入れ、

刃先に手応えを感じ取りながら、ブランク近くまで刺し込みます。

この作業を計4ヶ所、縦から見ると十字に入れる形になります。

通常はこの作業でEVAをグリップ上部から、

バナナの皮を剥く様に下に引けるのですが、

EVA素材の関係で剥き下ろす事が難しかったので、

カッターで細かく刻んで行きます。

 

 

 

 ※カッターは小型から大型に変更。刃は新品に交換します。

 

 カッターは、小型の小回りが利くタイプから、大振りで力が入る大型タイプに

変更して作業を進めて行きます。

大型のカッターは刃先に力を入れるのでは無く、少し長めに刃先を出して、

手前の刃(腹に乗せる様にエバを削いで行く。)に力を入れながら,

グリップコントロールをしてエバを削いで行きます。

EVAを大振りに刻むには適した工具です。

 

 

 

 ※グリップエンドの保護。

 

 

お客様からは、グリップエンドはそのまま使用して欲しいとのご要望あり

エンドも綺麗に外して行きます。

しっかりとマスキングテープを貼り保護します。 

 

 

 ※カッターの刃先がぶつかってキズがつかない様に

マスキングテープで4、5周巻きます。

 

 

 バッドエンド取り外しは特に注意、綺麗な状態で外して再度使用します。

 

 

 

 ※大まかにエバ材を削ぐ事が出来ました。後から表面処理を行います。

 

これから、バットエンドエンブレムを外したいと思います。

 

 

 

 

 ※プラスチックハンマーと、

挟む口部分が硬質プラスチック(ソフトタッチ)のペンチを使用します。

 

 

作業が早くはかどるのは、個人の努力や技術も必要ですが、

良い工具を使いこなす事も非常に大事です。

工具は、時間の短縮と作業効率アップと、

精度を上げる為のアイテムである事は間違いないです。

 

3点の必要な要素は、

①個人の技術。(基本通りと丁寧な作業。)

②工具の質。(質の良い工具を使う事、道具を選ぶ目利き。)

③完成までのイメージ。

  (作業工程の終始コントロール、個人の立体空間能力の度合い。)

 

だと自分は思っています。

 

この3点のバランスはとても大事です。

 

 

 

 

 ※万力を使用、しっかり固定します。

 

 

バットを万力に挟み、これから バットエンドエンブレムを外す作業に入ります。

万力に挟みエンド上部(マスキングテープ上のくびれ)のブランクをペンチで挟みプラスチックハンマーで、ペンチを叩き下ろして行きます。数回叩いたのですが、接着が効き過ぎてエンド破壊に繋がる可能性があるので、落ち下ろし作業を止めて、外しからカットに変更しました。(パワープレイで作業を進める事が一番危険です。) 

 

 

 ※バットエンドエンブレム、カット完了。

 

 バットエンドエンブレムを外しからカットに変更し

接着面を2cmキープし表面処理も済ませました。

 

 

 

※ ブランク表面処理します。ボコボコを削ります。

 

 EVAを剥いたバットエンドの表面となります。しっかりと接着剤が付いる状態。

一苦労ですがこれから表面処理、接着剤除去に入ります。

 

 

 

 

※バットエンドの表面処理も終わりました。(ブランクも綺麗なりました。)

 

ブランク内部の骨となる補助ブランクの長さを決め、

これから仮組みを行います。強度補強も含めて作業を進めます。

 

 

 

 ※延長継ぎ手のカーボンとなります。

 

 

 バット側に差し込む長さは、10cmを接着面の長さで表面処理します。

カーボンの質と断面の厚み、強度があるブランクをチョイスし長さを決めます。

 

 

 

 ※バットエンド側の接着面は、2.5cm取りました。

 

 

バットエンドエンブレム部の継ぎ手部2.5cm入れます。 

通常は、もっと短いのですが、オフショアロッドのバットと言う事も考慮して、

接着面を多く取り、ヨジレと強度を少しでも稼げる様にしました。

 

 

 

 ※カーボン継ぎ手を仮組みすると、こんな感じです。

 

 

 継ぎ手の全長21.5cm、バット側に10cm、エンド側に2.5cm、

センター部9cmとなります。

センター部はこれからコアテープで、アーバーを作成して行きます。

 

 

 

 

 ※EVAグリップ内径18mm外径30mm、長さ50cmのタイプを削ります。

 

 

 

 EVA材、ストレート硬質タイプ。現在販売されているタイプは、ほとんどが硬質タイプです。EVAの素材密度が高く握りの癖(へこみ、ゆがみ)が発生し難いです。

製品の品質向上されたタイプです、表面も目が細かく綺麗です。

 

 

 全長22cmから9cm延長、バットエンドまで含み31cmの指定となります。

 

 バットエンドエンブレムを含んだ長さが31cmなので、

慎重に測りながら印を付けます。

 

 ※デザインナイフの刃先を交換。

 

 

デザインナイフの刃先を交換。試しにカットしながら、力の入れ具合やEVAの厚みと硬さを感じ取りながら本番に臨む。数箇所輪切り作業を行い、感覚を掴む事が失敗しないコツでもある。

 

 

 

 ※本番カット終了。

 

 マスキングテープで、印を付けた後マスキングテープに沿いながら、デザインナイフを当て、転がしながら刃先に力を入れて行きます。大袈裟な言い方ですが、切り終わるまでは、息を止めるか、息を吐きながら行った方がぶれ難いです。(習字と同じく手先の作業は呼吸法1つで変わります。)

 

 

 

 

 

 ※旋盤機を使用します。

 

 

今回は旋盤機を使用してグリップ作成。エバは指定の長さにカット、旋盤機にセットします。耐水ペーパーの荒目320番から荒削りして行きます。旋盤機の左側寄りにセット、回転軸に近い方がセンターのブレが発生しにくいので、寄せて削り出しをして行きます。

 

 

 

 ※掃除機使用します。

 

 

EVA材の削り粉は、比重が重く落下も早いので、旋盤機で削りながら掃除機の吸引口を近くに寄せ作業を進めます。因みに、コルク材の削り粉は、軽く舞ってしまうので、吸引作業も平行に進めないと後処理が大変になります。

 

 

 

 ※ワインディングチェックの角度に合わせて削り出します。

 

 

 EVAの成型(完成形)は、お客様からお任せを頂いていたので、セミグリップやロンググリップを参考にしながら削り出して行きます。センターのストロークを出し、フロントから中央に掛け細身にして行きます。

 

 

 

 

 ※一番下がる(細くなる)所に当たりを付け、荒目のペーパーで削ります。

 

 

耐水ペーパーの荒目320番で、大まかに削りだします。

スピード調整も段々と回転を上げ素早く削り出します。

 

 

 

 

 ※EVA材の粉は、掃除機で吸い込んでいます。

掃除をしながら旋盤を行うと後処理が楽です。

 

 EVA材硬質の削り出しも、バランスを見ながら行うので時間が掛かります。全体のバランスは、旋盤機を止めて確認をしながら進めて行きます。削り過ぎた場合再度やり直しとなり、今までの時間と苦労がすべて無駄になるので、集中して要所、要所はしっかり押さえて旋盤に掛けていく。

 

 

 

 ※くびれも出来てイメージに近いグリップになって来ました。

 

 

掃除機で吸いきれない粉が、足元に溜まるので、

旋盤作業と平行に粉掃除の吸引を行う、

店頭での作業なので汚れを最小限に抑えスマートに作業を進めます。

 

 

 

  ※ 完成しました。写りがボケてすみません。

 

 

EVA材の削り出し終了。これからバットブランクに接着して行きます。

 

 

 

 ※ブランクの表面処理を行います。

 

 ヤスリで継ぎ手ブランクの表面にキズを斜めに付けて、

接着の喰い付き強度を少しでもアップさせます。

 

 

※パイプ内部側も表面キズを付けます。

 

 内部側は、削る前と削った後でアルコールや、エポキシ溶剤などで拭きます。 

 

 

接着します。

 

 エポキシ接着材はオス側にもメス側しっかり塗ります。

差し込んだ後は溶剤で拭き取ってしまえばOKです。

 

 

 

 ※コアテープ、細、大。

 

 アーバーとして、継ぎ手のブランク径をこのコアテープを巻き稼ぎます。多く巻いたら切り取れば良く、少なければ足せば良いので、糸で調整するよりも、簡単で作業効率と正確度もアップします。

 

 

 

 

 コアテープ細で、約1cm間隔で巻いた所です。

 

 コアテープの間隔を開け巻きます。テープが山、ブランクが谷になり、接着剤を塗りブランクに押し込んで行くと、山の表面に多く乗った接着剤が、谷に落ち埋もれながら面に広がります。強度も増すのでおすすめします。コアテープは細いタイプを使用し個数を増やした方がより効果的です。 

 

 

 

 セロハンテープをカットして、EVAの口部に張ります。

 

セロハンを日輪の様に広げて張ります。接着剤が付いたブランクを差し込む時に、

入口から接着剤がEVA材に乗り上がって来るのを防ぐ為です。 

 

 

 

 

 ※エポキシボンドで接着します。

 

 EVA材をゆっくりと押し込んで行きます。溜まったエポキシが、

コアテープを飲み込みながら押し下げるので接着も万全に出来ます。

 

 

 

 

※EVA材の口元にテープを貼ってあるので、汚れる事も無く後処理が出来ます。

 

 エポキシの接着剤は、いつも多目に使用しています。

接着不良の発生を防ぐ為の予防と、個人的に心配なので適量以上に使用しています。

 

 

 ※溢れたエポキシボンドは、溶剤でしっかり拭き取ります。

 

 EVA材をしっかり押し込み、はみ出たエポキシボンドは、溶剤で綺麗に拭き取ります。そのままにして置くと、エポキシが出て来るので、絶えず様子を見ながら出てきたら溶剤で拭き取る作業となります。放置するとエポキシが出たりして見苦しい状態で固まります。最後の詰めとなるので、気を抜かず「出たら拭く」を繰り返す事が、接着面が綺麗に仕上がるコツでもあります。

 

 

 

 ※日輪テープ貼りは、慣れてくると便利です。

 

 セロハンテープを2cmから2.5cmにカットし、EVA材の受け口部に貼り付け、エポキシから保護します。差し込んだ後に1箇所切り込んで、ゆっくりとテープを外して拭きに入ります。EVA材の口元も汚れる事無く綺麗に接着出来ます。 

 

 

 

 ※接着完了!!

 

 純正パーツのワインディングチェックの角度を、旋盤機使用時に調整をしていたので、面の合わせが上手く行きました。拭き取ったティッシュの粉が付いていますが、後から綺麗にとります。

 

 

 

 ※完成!!

 グリップ延長も無事に終えて、お客様に完成連絡します。

 

 

 お客様、御来店!

イシグロを、ご利用して頂いている、望月様。

話を聞くと、倉沢漁港、第十一光洋丸船長さんでした。

 

倉沢漁港  西倉沢定置網

第十一光洋丸 船長 望月 保志 さん

 

  「 倉澤の鯵」の生みの親です!!

 

 

「倉澤のアジ」ですが、 自分も勉強不足でした。聞いた時はありましたが、早速ネットで調べて見ると、SBSイブニングアイのイブアイ特集で、「極上!幻のアジ ブランド化への挑戦」で紹介されていました。由比港の名物はサクラエビ、そのサクラエビにも負けない程の由比でしか捕れない一級品のアジが「倉澤のアジ」、別名「幻のアジ」と呼ばれているそうです。最高ランクの根付きアジ。倉沢沖の海底には、サクラエビをはじめ、豊富なエサがある事から根付くアジが、この倉澤のアジになるそうです。 食べてみたいですね!

 

 ※お客様にも了承を得まして、

名刺そのまま載せました。

 

 そして、皆さん! 

 

「ととけん」っ知っていますか?テレビでさかなくんが、宣伝していた様な?

因みに、望月船長は、ととけん 2級だそうです、名刺も頂きました。

ととけんで2級認定の名刺を作って頂いたそうで、こちらも載せました。

 

 「ととけん」で検索するとホームページ上に模擬問題もあります。公式ガイドブックもあります。かなりディープな問題ばかりです。興味がある方は、日本さかな検定(ととけん)を受講されて見てはいかがですか?

 

※「ととけん」イシグロ社員の中にも

  チャレンジしている人いるのかな?

   たぶん、いるな! 数が少ない倉澤のアジの様に!!

 

「倉澤の鯵」、ご興味がある方は、望月船長にご連絡下さい。

いろいろと親切に教えてくれます。

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